月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
しかもナディアさんの“ご安心下さい”って、言われると結構ドキドキするんですけど。

はっ!

何を言っているの?

私の好きな人は、ジャラールさんだって!

あ~。

私、気が多すぎるよ。


「あの、クレハ様?」

「は、はい?」

「どうされました?」

「あっ、いや……ハハハッ!」

いけない。

私の悪い癖が出た。

「なんでも、ない。」

おちゃらけて、舌を出してみた。

「では参りましょう。」

舌を出した事も、完全無視。

「はい。」

舌を戻して、なるべく血を見ないように、その隣を歩く。

小屋を出る前に、もう一度だけ、切られた人達を見る。


「クレハ様。」

小屋の外から、ナディアさんが呼んでいる。

転がっている死体が、今にも動きそうで、ゾクッとした。

「この者達が乗ってきた駱駝に乗って行きましょう。」

「うん。」

急いでナディアさんの所へ行き、駱駝に乗る。

< 96 / 354 >

この作品をシェア

pagetop