月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「そう言えばクレハ様。駱駝は操れますか?」

「駱駝?」

「はい。」

思い返してみると、いつもジャラールさんかハーキムさんの前に乗っていた。

「自分で操った事ないかも。」

「分かりました。」

そう返事をすると、ナディアさんは私の後ろに、飛び乗った。

「行きますよ。しっかり掴まってて下さいね。」

「は~い。」

絶対、面倒くさい女だと思われただろうな。

そう思いながら、ナディアさんの腰に手をまわす。

ナディアさん。

男の人にしては、腰が細いな。


その瞬間、駱駝がものすごい勢いで、走り出した。

「ええっ?」

これは、本当にしっかり掴まっておかないと、振り落とされそう。

ナディアさんが操る駱駝は、信じられない速さで、森の中を駆け抜ける。

「このまま、一気に砂漠も駆け抜けますよ。」

「ひーっ!」

怖いよ~!

駱駝から落ちるよ~!

と、心の中で叫びながら、駱駝は森を抜けた。

< 97 / 354 >

この作品をシェア

pagetop