月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
すると、駱駝は何故か失速。

「ナディアさん?」

動かないナディアさんに、私は顔を上げた。

「恐れていた事が、起こったか。」

「え?」

「追っ手だ。」

周りを見ると、さっき小屋の中で見た人と同じ衣装を着た人達が、私を取り囲んでいる。


「クレハ様。駱駝の操り方、見ていましたね。」

「えっ?いいえ?」

するとナディアさんは、急に駱駝を降りた。

「手綱をしっかり持って!」

「ナディアさん!」

するとナディアさんは、私が乗っている駱駝のお尻を叩いた。

一気に走り出す駱駝。

それを見て、追っ手が近づいてくる。


「止めさせるか!」

その追っ手をナディアさんが、流れるように倒す。

奪い取った駱駝に股がるナディアさんから、私の背中に向かって、声が聞こえた。

「後で追いかける!」

それを聞いても、手綱に必死にしがみつく私には、振り返る事もできなかった。

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