【サク読みAI小説】独白アイドル〜幕が降りたあとで〜【アイドル×少年×短編】
第2話:Mount the Throne
研修生グループの結成が発表された日、
麻布にある事務所の稽古場は大きくざわついた。
それは中学の卒業が近づくころだった。
俺はその中の一人として名を呼ばれ、
鏡張りの稽古場の真ん中に立たされ、痛いほどに視線がまとわりつく。
(あぁ…なるほどね)
だが、あとの四人の顔ぶれを見たとき、妙に納得したのを覚えている。
プロデューサーが溺愛してるイケメンくん。
子役出身の芸歴長い研修生、スタイル完璧な爽やかくん、
ホストみたいなナルシスト。
そして、全体のバランス取りみたいな感じで、この俺。
鏡越しに並んだ自分の姿は、そこに割り込むように見えた。
(なるほど、俺がバランサーね)
確かに、ルックスは突出していない。
でも、喋りもパフォーマンスも、いちばん目立てるのは絶対俺。
それに、家も、育ちも、学歴も、頭の回転も。
アイドルじゃなくても輝ける要素は誰よりもある。
中身でのしあがってきた自負というのは、なかなか気持ちよかった。
(結局、自分をどうプロデュースできるかなんだよな)
(その賢さがあるから、何をやっても成功するんだ、俺の人生は)
選ばれた5人だけが、その場に残され、
稽古場に響く音楽のなかで、並びを試される。
立ち位置のマークテープ、タイミングを合わせる手拍子。
それが、デビューに向けた第一歩だと誰もがわかっていた。
誰がどこで目立ち、どこで引くべきか。
全員が互いを計っているのが、空気に出ていた。
リハーサルの合間、スタジオの鏡に映る自分と目が合う。
少し笑った。
麻布にある事務所の稽古場は大きくざわついた。
それは中学の卒業が近づくころだった。
俺はその中の一人として名を呼ばれ、
鏡張りの稽古場の真ん中に立たされ、痛いほどに視線がまとわりつく。
(あぁ…なるほどね)
だが、あとの四人の顔ぶれを見たとき、妙に納得したのを覚えている。
プロデューサーが溺愛してるイケメンくん。
子役出身の芸歴長い研修生、スタイル完璧な爽やかくん、
ホストみたいなナルシスト。
そして、全体のバランス取りみたいな感じで、この俺。
鏡越しに並んだ自分の姿は、そこに割り込むように見えた。
(なるほど、俺がバランサーね)
確かに、ルックスは突出していない。
でも、喋りもパフォーマンスも、いちばん目立てるのは絶対俺。
それに、家も、育ちも、学歴も、頭の回転も。
アイドルじゃなくても輝ける要素は誰よりもある。
中身でのしあがってきた自負というのは、なかなか気持ちよかった。
(結局、自分をどうプロデュースできるかなんだよな)
(その賢さがあるから、何をやっても成功するんだ、俺の人生は)
選ばれた5人だけが、その場に残され、
稽古場に響く音楽のなかで、並びを試される。
立ち位置のマークテープ、タイミングを合わせる手拍子。
それが、デビューに向けた第一歩だと誰もがわかっていた。
誰がどこで目立ち、どこで引くべきか。
全員が互いを計っているのが、空気に出ていた。
リハーサルの合間、スタジオの鏡に映る自分と目が合う。
少し笑った。