痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
桃瀬の優しい問いかけに百合は躊躇いつつ周囲をきょろきょろと見渡している。その動作で言っていいものか、聞かれたくはない、そのようなニュアンスを読み取る桃瀬。
先日抜歯だけで死ぬ勢いだった百合を知っている手前、今日はどんな妄想と暴走を始めるのかと少し楽しみではある。しかし今日は他に患者もいる、子供も待合で待たされている以上派手な発言はできれば避けてもらいたい。
(子供の前で、死ぬかもしれないはさすがにやめて)
桃瀬は笑顔の裏でそんなことを思っている。
「笹岡様、大丈夫ですよ?」
「え?」
「今日は金属をつけるだけですし、痛いことはないですよ?」
「……」
「少し嚙み合わせをみて、綺麗にしたら終わりです」
「終わり……」
「はい。すぐ終わります」
「すぐ、終わる……」
「はい! もう一瞬です!」
治療をポジティブに捉えてもらおうと桃瀬は至極明るくサラッと言い放った。だが百合は桃瀬のその言葉により落ち込んだように顔を俯かせてしまった。
「え……え、笹岡様?」
(あれ? なんで? 治療一瞬で終わるのヤだった? なんか余計落ち込んだ? え? なに!?)
「今日はよろしくお願いします……」
「え、あ……」
そこで電話が鳴って桃瀬は百合に何と声を掛ける事が出来ず、百合はすごすごと待合のソファに行ってしまった。
先日抜歯だけで死ぬ勢いだった百合を知っている手前、今日はどんな妄想と暴走を始めるのかと少し楽しみではある。しかし今日は他に患者もいる、子供も待合で待たされている以上派手な発言はできれば避けてもらいたい。
(子供の前で、死ぬかもしれないはさすがにやめて)
桃瀬は笑顔の裏でそんなことを思っている。
「笹岡様、大丈夫ですよ?」
「え?」
「今日は金属をつけるだけですし、痛いことはないですよ?」
「……」
「少し嚙み合わせをみて、綺麗にしたら終わりです」
「終わり……」
「はい。すぐ終わります」
「すぐ、終わる……」
「はい! もう一瞬です!」
治療をポジティブに捉えてもらおうと桃瀬は至極明るくサラッと言い放った。だが百合は桃瀬のその言葉により落ち込んだように顔を俯かせてしまった。
「え……え、笹岡様?」
(あれ? なんで? 治療一瞬で終わるのヤだった? なんか余計落ち込んだ? え? なに!?)
「今日はよろしくお願いします……」
「え、あ……」
そこで電話が鳴って桃瀬は百合に何と声を掛ける事が出来ず、百合はすごすごと待合のソファに行ってしまった。