痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
 妄想女子は逞しかった。

 鍛えられた妄想と想像は今のところ三嶌の執着心にそこまでの抵抗もなく受け入れる姿勢を見せれている。慣れとは怖いものだ。

「せん、せ……」

「百合、口開けて」

「んっ」

 優しい声なのにその言い方は一切の言い分は聞かないといった強い口調だった。

「百合、キスうまくなったね」
 
 舌が絡むキスを繰り返しながら三嶌が甘い声で囁くので、百合は恥ずかし気にも頷いてそのキスに応える。

「はぁ、んん……せんせ……いっぱいするからっ……」

「俺のせいなの? 百合も好きだと思ってたのに」

「ちがっ……んん、わた、私も好きだけどぉっ!」

「やじゃないよね?」

「んん……や、じゃないっ」

「俺も百合とするキスが大好き」

 繰り返し続けたくちびるへのキスから今度は耳の中に舌を這わして三嶌は百合を優しく責め立てる。

 百合の身体は思考だけを置いてけぼりにしてどんどん震えて感じ始めて止まらない。

「あ、う、ぁ、はぁ、あ……」

「可愛い声……俺、それだけでイキそうになる」

 二人きりの時だけ三嶌は自分を俺と呼ぶ。

 それを聞いたときに百合は自分が三嶌のテリトリーに入れたのだと嬉しくなった。

 自分が特別になれた、三嶌にとって自分がただの患者ではなくなったのだと実感できる。それが無性に胸を締め付けていくのだ。

「可愛いなぁ、その溶けたような顔……」
 
「ん……好き、先生好き……」

 溶けてドロドロになった百合はもう気持ちを勝手に言葉に落としてしまう。それが三嶌にはたまらなくて……いつもこんな風に百合を追い詰めるのを楽しんでしまうのだ。
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