痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
「百合ー、歯磨きしてあげる」

 一緒に暮らすようになってから百合は三嶌に歯磨きされるのが日課になった。

 三嶌のブラッシングはとても優しく丁寧で、ただただ気持ちいい。三嶌の膝の上に頭を乗せて雛鳥が餌を待つように口を開ける百合。

「あーー」

「ん、いい子」

 三嶌に甘やかされている、百合はそう思う。
 でも三嶌が百合を甘やかせたいというので結局言われるがまま三嶌に甘えている……が。

 三嶌の本音は違う。

 三嶌のただ飼い慣らしたいだけの邪な野心などまだまだ百合は気づけてはいない。

 歯磨きをされながら百合は目を閉じて思う。

(だめだぁー、もう自分で歯磨きできないー。しあわせぇー)

「虫歯出来たら困るからね?」

 嫉妬深い三嶌は百合の口の中で繁殖する菌にさえ妬いてしまう。口の中から懐柔された百合はそれから一切虫歯や痛みに悩まされることはなくなったのである。



 ~~HAPPY END~~
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