痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
 予定外のストレスと疲労に三嶌は心身が無駄にざわついていた。その無駄に駆られる気持ちをはやく鎮めたいと思う。そしてその鎮めるための矛先は百合に一直線に向かっていく。

(ああ、はやくあの瞳に見つめられて彼女の自虐心をくすぐりたい……!)

 黛と話したことで三嶌は猛烈に加虐心を込み上げさせていた。

 診察室をちらりと盗み見する三嶌。
 香苗とのブラッシング指導で百合は少し気分を落ち着けさせていた。素直に香苗の指導を聞き入れている姿はまた三嶌の執着心を煽っていく。

(あのなにも疑わずに素直に鳴く感じが可愛すぎるな。もういっそ家に連れ込んで外の世界に行かなくてもいいように調教しようか)

 会うたびに三嶌の脳内も陰湿で過激になってくる。

 まだ二人は何物にもなっていないのに三嶌こそ恐ろしい妄想ばかりを膨らませていたのだった。
< 74 / 146 >

この作品をシェア

pagetop