痛くしないで!~先生と始める甘い治療は胸がドキドキしかしません!~
Second Kiss
親知らずを抜いた翌朝。
百合の右下頬部分は少しだけ腫れてしまったものの、見た目の割に痛みはない。
とりあえず夕方に三嶌のもとへ消毒へ行くから腫れていたとしても診てもらえると思うだけで安心している。
しかし、のほほんと消毒に来ました~……と、病院へ足を運んで本当にいいのだろうか。
百合は昨日の出来事を何度も思い出しては自分の妄想に撃ち負けて結局何一つ答えを導き出せずにいた。
(いろんな考えをそぎ落としても残る事実はひとつなんだよ……)
百合はくちびるに指を添わして思い出す。
(あれはキス……だった)
好きになった途端に諦めて忘れないといけない、そう思った相手にいきなりされたキス。
麻酔で麻痺したくちびるだとほとんど感覚はなかったけれど、温かい熱はしっかりと感じた。もちろん、百合にとってはファーストキスだ。忘れられそうにない大切なキスだった。気づくとそのことばかりを思い出して仕事も集中力が続かず気づけば定時を回っていた。
これから三嶌に会うと思うと緊張した。
いつもならしない髪の毛をとぎ直して少しでも身なりを整えた。普段服装や髪型を雑に扱ってきたことを今ひどく後悔している百合だ。
(どうしよう、今更だけど、どんなカッコでどんな顔して先生に会いにいけばいいんだろう)
乙女心全開の百合は思考をパンクさせていた。
百合の右下頬部分は少しだけ腫れてしまったものの、見た目の割に痛みはない。
とりあえず夕方に三嶌のもとへ消毒へ行くから腫れていたとしても診てもらえると思うだけで安心している。
しかし、のほほんと消毒に来ました~……と、病院へ足を運んで本当にいいのだろうか。
百合は昨日の出来事を何度も思い出しては自分の妄想に撃ち負けて結局何一つ答えを導き出せずにいた。
(いろんな考えをそぎ落としても残る事実はひとつなんだよ……)
百合はくちびるに指を添わして思い出す。
(あれはキス……だった)
好きになった途端に諦めて忘れないといけない、そう思った相手にいきなりされたキス。
麻酔で麻痺したくちびるだとほとんど感覚はなかったけれど、温かい熱はしっかりと感じた。もちろん、百合にとってはファーストキスだ。忘れられそうにない大切なキスだった。気づくとそのことばかりを思い出して仕事も集中力が続かず気づけば定時を回っていた。
これから三嶌に会うと思うと緊張した。
いつもならしない髪の毛をとぎ直して少しでも身なりを整えた。普段服装や髪型を雑に扱ってきたことを今ひどく後悔している百合だ。
(どうしよう、今更だけど、どんなカッコでどんな顔して先生に会いにいけばいいんだろう)
乙女心全開の百合は思考をパンクさせていた。