結婚式の日に裏切られた花嫁は、新しい恋に戸惑いを隠せない




【では、また連絡します】
【エクセレント(まこと)社長 藤沢誠子】

「先輩、いつもありがとうございます」

エクセレント誠は、藤沢の父が立ち上げた人材派遣会社だ。今は藤沢が社長、彼女の夫が副社長。
秘書や家政婦、医師や看護師と幅広く人材を派遣している小さな会社だが、ポリシーは一貫している。

「あなたにピッタリの人材を派遣します」というものだ。

仕事とはいえ数時間、あるいは一日の大半を一緒に過ごす相手なら相性は大切だ。
個人的にかかわることの多い職種こそ、誰でもいいはずはない。
仕事のパートナーを選ぶお手伝いをしますというのが、エクセレント誠のモットーだ。
しかも優秀な人材を集めていて、会社の評判はとてもいい。

大学時代から目をかけてくれている誠子に、彩奈は頭が上がらない。
もちろん誠子には、相手のことは伏せて結婚が破談になったことだけは話している。
住む場所を決めたりコーポを借りるときにもお世話になった。
お礼の気持ちもあるが、今の彩奈の目標は誠子の会社で働くことだ。
もちろん誠子の求めるレベルに達することが、エクセレント誠で働く条件でもある。

あれこれ考えたいが、もう疲労はピークに達している。

「おやすみなさい」

誰にともなくつぶやいて、真矢は眠りに落ちていった。



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