結婚式の日に裏切られた花嫁は、新しい恋に戸惑いを隠せない
もともと健康な湊斗は病院とは縁がない。
彩奈の状態が気になって診察室にいたら、医師から外に出るように言われた。
廊下に出たら、東原にクスクス笑われてしまった。
「お前、あのまま診察室にいるつもりだったのか」
「え?」
意味が分からない。
「彼女、服を脱ぐんだぞ。それとも、もう見ちゃってるのかな」
「バカ言え」
東原は、恋人かなにかだと勘違いしているらしい。
このあとはレントゲン撮影などがあるから時間がかかると聞かされたので、病院内でWi-Fiが使える待合室を教えてもらった。
「ずっと待つのか?」
「当たり前だろう」
東原には昨日のことは簡単に伝えていたが、こちらにも責任があると湊斗は思っている。
「子供を助けてケガするなんて、なかなかできないよ」
「ああ」
「じゃあ、仕事に戻るわ。なにかあったら連絡くれ」
「二日連続ですまない。ありがとう」
人のよさそうな笑顔を残して、東原は立ち去った。
しばらくメールを見たり仕事の指示を出したりしていたら、彩奈がキョロキョロしているのが見えた。
湊斗に気がつくと、少し驚いた顔になる。先に帰ったとでも思われていたのだろうか。
「早瀬さん、終わりました。軽い捻挫なので、無理しなければすぐによくなるそうです。診断書が必要なら、受付で伝えてくださいとのことでした」
彩奈の報告は、とても事務的なものだった。