結婚式の日に裏切られた花嫁は、新しい恋に戸惑いを隠せない
「そういえば、井口さんの歓迎会をしていませんでしたね」
突然、田頭がそんなことを言いだした。
「ああ、このところ忙しかったからな」
四月に派遣されてきたが、そろそろゴールデンウイークという時期になっている。
人見主任もすっかり忘れていてすまないと謝ってくれるが、そこまで気を使ってもらえるなんて彩奈のほうが恐縮してしまった。
「いえ、皆さんお忙しいですから」
「明日の金曜日はどうでしょう。急ですが、社長はアメリカだから室長や主任も早く帰れるんじゃないですか」
「いいね」
「その案に賛成!」
あっさり話がまとまった。
「久しぶりに四人でのんびりしよう」
「田頭が場所を探しておけよ」
「了解です」
飲み会なんて、彩奈は大学以来だからかなり久しぶりだ。
誠子との女子会ばかりだったから少し緊張もするが、明日の夜が楽しみでもあった。
「ありがとうございます」
「井口さん、よく働いてくれてるから助かってるんだ」
田頭がほめてくれると、ますますやりがいを感じる。
ここで働けてよかったなと、彩奈はしみじみ感じていた。