結婚式の日に裏切られた花嫁は、新しい恋に戸惑いを隠せない



コールセンターでの仕事を終えて、ひとり暮らしのコーポに帰り着いたのは深夜零時を回っていた。

(今日って、厄日なのかな)

健康食品の注文を受けていたらクレーム客にあたって散々だったし、帰ろうと思ったら電車は架線トラブルで止まっていた。

違うルートで帰ろうとしたら駅は大混雑だった。
なんとかバスに乗れたが、車内はぎゅうぎゅう詰めだったので痛めていた足腰がさらに悪化した気がする。

(疲れた~。シャワー浴びて寝よう)

この部屋には浴室がなくて、シャワールームだけだ。家賃がその分だけ安いから、彩奈としては助かっている。
裸になってシャワールームに入ると、正面の鏡には疲れた顔の自分が映っていた。
おまけに腕にはすり傷、太ももと腰には青あざと満身創痍だ。

(久しぶりだな、ケガするなんて)

バレー部時代には捻挫やら突き指といったケガをしたものだ。
ここ最近でケガといえば体よりも心に負ったものだったから、なんだかおかしくなってきた。

(痛いってことは、生きてるってことじゃない)

痛いけど、なんだか笑いたい。泣き笑いといった方がいいだろうか。
シャワーを浴びながら、彩名はポロポロ泣きながら「ハハハッ」と声を上げていた。





< 9 / 105 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop