結婚式の日に裏切られた花嫁は、新しい恋に戸惑いを隠せない
湊斗の優しい声に、静かに耳を傾ける。
彩奈への想いと異母妹のことは関係ないことだけは信じてほしいと、湊斗は言う。
確かに義母の話だけを聞いて疑ってしまったこともあったが、彩奈自身を知れば知るほど好きになってしまった。
いつか彩奈自身からすべてを話してくれる日を待とうと思っていたとも。
やっと彩奈と思いが通じたとふたりきりで過ごしていたのに、義母がやって来て騒ぎだした。
うっとおしくてホテルに送り届けて別荘に帰ってきたら、もう彩奈はいなかった。
あの日から仕事でもプライベートでも避けられて、彩奈に想像を超える傷を負わせたことを悟った。
「もう君を傷つけたくなかった。無理やり連れ戻しても、傷を深くするだけだと思って諦めようとしたんだ」
湊斗の力で探せば、おそらく彩奈の居所はすぐに見つかっただろう。
彩奈のために、無理強いだけはしたくなかったと言う。
「会いたかった」
彩奈も湊斗の気持ちを知って、泣きたくなってきた。
「ずっと、会いたかった」
お互いを想いながら、すれ違ってしまっていたのだ。
「私こそ、ごめんなさい」
事実を話さなければと思いながら、弱気になって逃げてしまった。