結婚式の日に裏切られた花嫁は、新しい恋に戸惑いを隠せない
まだ三歳だから、頭の方が大きくて体とのバランスが悪いという不安定な年ごろだ。
「ママ~」
一番上からボールを投げようとしたのか、海里がバランスを崩すのはあっという間だった。
「海里!」
彩奈の目の前で、海里が芝生に落ちた。
「キャア」
ベランダで見守っていた母の悲鳴が聞こえる。
彩奈が走りよると、顔面から落ちたのか海里は鼻血を出している。
その場に座り込んで膝に抱えて顔を見ると、ワンワン泣いているから涙と鼻血でぐちゃぐちゃだ。
彩奈が持っていたハンカチで鼻を抑えるが、出血が多いのか真っ赤に染まっていく。
湊斗が靴も履かずに駆けつけてきて、そっと海里を抱き上げてくれた。
ベランダまで戻ると、騒ぎが聞こえたのか父も様子を見に出てきていた。
母が急いでタオルを持ってきてくれたが、海里の鼻血は止まらない。
「すぐ、井口病院へ」
父がそう言うのを聞いて、彩奈はハッとした。
医師である父から見て、様子がおかしいということだ。