隠れ美少女とクール系男子
「ひどいじゃないかぁ、愛笑! 俺を避けるなんてっ! 兄ちゃんは悲しいぞぉ……」

「うん。ごめんねー」

「感情がこもってないぞ、愛笑!」

「はいはい、おとなしくしてねー」



 ブーブーと文句を言う自身の兄を呆れた目で見ながら鼻にティッシュを突っ込む。

 そんなに文句を言うなら自分でやってほしいものだ。そのうち止まる、とでも思っているのか鼻血を出しながら歩き回るのだから。



「雑! 兄ちゃんの扱いが雑!」

「はいはい、わたしの"あいじょー"がたっぷりこもった好物のハンバーグが食べたかったらさっさと椅子に座ってね」

「わーい!」



 ……チョロいな、この人。

 みんなで椅子に座り食卓を囲む。

 夕ご飯を食べながらひと通り雑談が済むと、兄を除くわたしたち三人は箸を置く。



「ところで、葵。お前が通っている夢月学園に愛笑を転入させる、と言ったらどうする?」

「────は?」
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