隠れ美少女とクール系男子
 サラサラの髪に氷のような冷たい目。近くで見るとイケメンだが、人間不信である私には恐怖の塊でしかない。

 私はなるべく視界に入れないようにした口を開く。



「えっと……職員室探してて」

「はぁ? こんなとこに職員室なんかあるわけないだろ。ここ旧校舎だぞ」



すっごい嫌そうな声が返ってきた。ここ旧校舎なんだ。



「どうせ、俺と二人きりになりたくて先回りしてきたんだろ? 嘘丸見えなんだよ」

「はい?」



 俺と二人きりになりたくて?


 そんなの私に限ってあるはずないじゃないか。他人が同じ空気にいるっているだけで手の震えが止まらないのに。

 ひょっとしてこの人は、チヤホヤされてるから自分はイケメンだって思ってるちょっとイタいナルシストなのか?

 とりあえず、誤解してるらしいのでわたしが転入生のことを話す。

 すると、分かってくれたのかまだ疑いはあるものの職員室へ案内してくれた。意外と優しいのか?
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