隠れ美少女とクール系男子

 ……だけど、そんなのは関係ない。わたしは数メートル間隔を開けて後ろについていく。



「……なんでそんなに遠いんだ」

「いや、人がちょっと苦手で」

「そんな何メートルも離れてちょっとじゃないだろ」



 はい。するどいツコッミを頂きました。私の人間不信と言うか人間嫌いはアレルギー級です。

 しばらく歩くと職員室と書かれたドアの前に着いた。



「ここだ」

「あ、どうも……」



 モテモテイケメンの男子生徒は、わたしを職員室へ届けると来た道を引き返していった。

 あれ……教室に行かなくていいのかな。



「あ、名前聞くの忘れちゃった」



 まぁ、いいか。これだけ校内が大きいと会うのも難しいだろうし。

 気を取り直してドアに向き直りノックを三回。



「し、失礼します。転入生の猫塚 愛笑です。 先生はいらしゃいますか?」



 すると、近くにいた女性の先生が私の担任を呼んでくれる。
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