隠れ美少女とクール系男子
 森川先生を呼んでくれた女性の先生は気まずい空気を察したのか助け舟を出してくれた。



「ほ、ほら森川先生。そろそろホームルームの時間ですよ」

「あぁ、ほんとだ。猫塚さん、教室に行こうか」



 教室に向かいながら森川先生と女性の先生に気を使わせてしまったことに申し訳なくなる。

 すると、私の心を見たように森川先生は気にするな、と言ってくれた。

 教室のドアの前で足を止めると、森川先生は私の方へ向き直る。



「じゃあ、俺が合図をするから呼ばれたら来てくれ」

「わかりました」



 先に森川先生が中へ入っていくと、ざわざわしていた教室がしんとなった。



「これからホームルームを始める。日直の二人、よろしくな」



 森川先生の一言でホームルームが始まった。

 少したつと今日から新しい生徒がこのクラスに入ってくる話をされた。きっとわたしのことだろう。

 転入生の話でまたざわざわし始めたころ、教室から合図が来たので深呼吸し、ドアを開け森川先生の隣に立つ。
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