隠れ美少女とクール系男子
「今日からこのクラスの一員になる愛笑さんだ。仲良くするように」

「よ、よろしくお願いします……」



 ……なんだろ。私が教室に入ったとたん静かになったんだが。

 チラリと自分のクラスメイトとなる人たちを見てみる。

 だが、あまり友好的じゃなさそうだ。



「うわ、メガネでか……」

「絵に描いたような地味子ね……」



 クスクスと笑う人たち。あぁ、友達できない気がする……。

 わたしが諦めのため息をつくと森川先生がこの空気を断ち切り、席を教えてくれる。



「みんな静かに。愛笑さんの席は……ええと、一番端の窓側ね」

「あ、はい」



 言われたとおりに席に着く。が、なぜか周囲の女子たちから鋭い視線を感じる。

 そういえば私の隣、空席だな……休みだろうか。



「地味子のくせに……」

(かける)様の隣の席なんて……」

「羨ましい……」
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