隠れ美少女とクール系男子

初めて向き合った瞬間

「はぁ～。疲れた」



　昼休み開始を知らせるチャイムが学校中に響き渡る。

　わたしは、授業が終わるなり机に突っ伏す。休み時間が始まるたびに翔サマの隣であるわたしに席を変われ、などと言われるのだ。

　とにかく初日から疲れた。こんな調子で毎日を過せるのか？

　今は休み時間。お昼ご飯も含まれているのだが、それをすっぽかして女子軍に迫られそうだ。その前に教室からおさらばしなくては。

　弁当と一緒に席を立つと急いで教室を出る。



「人がいないところ……旧校舎でいいかな」



　まだ校内全部を把握した訳では無いが朝、来た道を思い出しながら行けば迷子にならないだろう。

　人混みの隙間を縫いながらわたしは旧校舎の方へと向かっていった。



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　さすが、旧校舎なだけあって人が来ない。いい場所を見つけた。

　私は外にあったベンチに腰を掛ける。持ってきた弁当を開けると色とりどりのおかずが姿を見せる。