隠れ美少女とクール系男子
 もうすぐで教室に着くというところで言い争う声が聞こえてきて、思わずドアの前で止まってしまった。



「あんた、まだ学校に来れたの?」

「前髪が長くて顔がよく見えなーい。今どんな顔してるの?」

「良かったね~地味子ちゃん。今日、新しい仲間が来てくれたじゃない」



 どうやら、相手はわたしによくちょっかいを出す女子三人組のようだ。その三人組が誰かをいじめているみたい。

 助けに行きたいが、足がすくみ、体が震えて言うことを聞いてくれない。自分の過去と重ねているからだろう。

 大丈夫。私を縛る二人はここにいないんだ。そう言い聞かせるもすぐに体が動かなかった。



「あ、あのやめ、」

「なぁに? 声がちっちゃくて聞こえない〜」

「顔をよく見えないし、私が切ってあげようか?」

「それめっちゃいい! えぇと、はさみはさみ……」



 話を聞く限り、三人組がいじめられっ子の長い髪を切るようだ。

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