隠れ美少女とクール系男子
 ……助けに行かなきゃ! しっかりしろ、愛笑! わたしは何のために学校に来たの? 人間不信を克服するためでしょ!

 そう自分に言い聞かせ震えながらも無理やり体を動かし教室のドアを開けた。

 そして、髪を切る寸前だったはさみを掴み止める。


「なによあんた」

「そのはさみをしまって」

「あっれ〜? 誰かと思えば今日来た新人地味子ちゃんじゃん」

「あなたも髪切りに来たの?」

「はさみをしまってって言ったんだけど、聞こえなかった?」


 思わず睨み上げたわたし。相手の癇に障ったのか、はさみを持っていない手で叩こうとした。だが、お母さんから護身術を習っていたわたしにはかすりもしない。

 軽く受け流すつもりが反射で、逆に振り上げた相手の腕をつかみ廊下のほうへ背負投をしてしまった。


「いっ……」

「あ、やっちゃった」


 思わずいつも通りに背負い投げをしてしまった。お母さんは受け身を取るからいつも全力でやっていたのだ。今回、手加減をしなかったので、相当背中が痛いはず。
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