隠れ美少女とクール系男子
「じゃあ、なんでこの学校に転入をしたの……? わざわざ人がたくさんいるようなところに来て」



 彼女が不思議な顔をする。まぁ、当然だろう。学校はたくさんの人がいるからだ。

 だが、わたしはいざというときに兄ちゃんに助けを求められる。それに……。



「人間不信を克服したいと思ったから。ずっとこのままだったら、笑うことも泣くこともできない。それに、私の名前は『愛らしく笑ってほしい』というのが由来らしいの。その夢を見たら、克服しなきゃって思った」



 わたしは、そう言いながら本来の目的だった筆箱を机の中から出し、カバンに入れる。

 柄にもなく自分のことを他人に話してしまった。過去の自分と重ねたのだろうか。

 教室から出ようとしたが、その前に名前くらい聞いておこうかなと思った。似た者同士だから恐怖心も他の人より少ない気がする。
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