隠れ美少女とクール系男子
「……なんでそんなに遠いんだ」

「いや、人がちょっと苦手で」

「そんな何メートルも離れてちょっとじゃないだろ」



 不審に思いながらも職員室に着く。



「ここだ」

「あ、どうも……」



 俺は職員室への案内が済むと旧校舎の方へ戻る。変なやつだったなと思いながら。



───
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 ───キーンコーンカーンコーン



 日当たりのいいお気に入りのベンチで昼寝をしていたらチャイムの音が聞こえ、目が覚める。 

 どうやら昼休みになったらしい。腹が空いてきたので菓子パンを買いに購買に行く。

 毎度おなじみの女どもに囲まれたが、無事に焼きそばパンを買い、さっきの場所へ戻ると旧校舎で迷い込んでいた女がいた。

 やっぱり、俺目当てだったかと思いながら近づき声を掛ける。俺が普段どこにいるのかはみんな知らない。だから、旧校舎は安全地帯なのだ。

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