どうも、魔導師様に拾われた幼女です!
拾われる幼女
親はいない。
いるのは悪魔だけ。
食事はない。
あるのは草だけ。
愛情はない。
あるのは憎悪と嘲りだけ。
だけ、のはずだったのに。
♡──────────────────♡
今日は屋敷がいつもよりも騒がしかった。
「あんた!絶対にボロ屋が見つからないようにしなさい!」
「か、かしこまりました奥様…!」
「お母様!私、見初められたらどうしよう!」
「貴女は可愛いわ。堕ちない男はいないわよ!」
私はアメリア。
母は幼い頃に亡くなった。
父は、後妻とその娘…私の異母姉に殺された。
もともと遺産目当ての母娘だったのだ。
女当主が認められてるこの国で、後妻は当主になってみせた。
そして、正妻の子である私をゴミのように扱った。
別に父はあまり好きではなかったし、母はほとんど覚えてないし。
だからひとりでゆっくり暮らしているこの状況が私には案外合ってるのかもしれない。
まぁ、ボロ屋だしご飯もないから生と死の間際にいる感じなんだけどね。
こっそり外を覗いてみると、使用人たちが慌ただしく駆け回っている。
後妻と異母姉もいつもより着飾っており、高貴な身分の人が来るのは一目瞭然だった。
そして、異母姉がその人を狙っていることも。
「あぁ、なんて可愛いの、ホウラ!」
「うふふ、あの御方も吃驚しちゃうわね!」
母娘が楽しそうに話している。
ふぅん、誰が来るんだろう…。
♡───────────────────♡
しばらくすると、家の前に大きな馬車が止まった。
人が降りて来たのか、玄関から母娘のドレスの裾が覗く。
「ようこそいらっしゃいました、魔導師様!」
「えぇ、お邪魔いたします」
「どうぞお入りください」
どうやら来たのは魔導師らしい。
私から見えるところでは、長めの銀髪ってことしか分からないけど…。
声は若そうだから、異母姉と年が近いんだろうか。
私の興味はここで失せ、ボロ屋に戻る。
音を立てないように扉を開けると、白い仔犬が飛び出してきた。
『ご主人!なにもなかったか?見たことのない気配が来ていたが…』
この子はノア。
前私が庭で拾ったんだけど、言葉を話す、特別な子だ。
とはいってもそもそもこの子は犬ではない。
神獣の狼が小さくなった姿だ。
神獣は本来、神の申し子と呼ばれる子を守る役職のはずだけど…私の傍から離れないので放置するコトにしていた。
『なぁご主人…頼みがあるんだが』
いるのは悪魔だけ。
食事はない。
あるのは草だけ。
愛情はない。
あるのは憎悪と嘲りだけ。
だけ、のはずだったのに。
♡──────────────────♡
今日は屋敷がいつもよりも騒がしかった。
「あんた!絶対にボロ屋が見つからないようにしなさい!」
「か、かしこまりました奥様…!」
「お母様!私、見初められたらどうしよう!」
「貴女は可愛いわ。堕ちない男はいないわよ!」
私はアメリア。
母は幼い頃に亡くなった。
父は、後妻とその娘…私の異母姉に殺された。
もともと遺産目当ての母娘だったのだ。
女当主が認められてるこの国で、後妻は当主になってみせた。
そして、正妻の子である私をゴミのように扱った。
別に父はあまり好きではなかったし、母はほとんど覚えてないし。
だからひとりでゆっくり暮らしているこの状況が私には案外合ってるのかもしれない。
まぁ、ボロ屋だしご飯もないから生と死の間際にいる感じなんだけどね。
こっそり外を覗いてみると、使用人たちが慌ただしく駆け回っている。
後妻と異母姉もいつもより着飾っており、高貴な身分の人が来るのは一目瞭然だった。
そして、異母姉がその人を狙っていることも。
「あぁ、なんて可愛いの、ホウラ!」
「うふふ、あの御方も吃驚しちゃうわね!」
母娘が楽しそうに話している。
ふぅん、誰が来るんだろう…。
♡───────────────────♡
しばらくすると、家の前に大きな馬車が止まった。
人が降りて来たのか、玄関から母娘のドレスの裾が覗く。
「ようこそいらっしゃいました、魔導師様!」
「えぇ、お邪魔いたします」
「どうぞお入りください」
どうやら来たのは魔導師らしい。
私から見えるところでは、長めの銀髪ってことしか分からないけど…。
声は若そうだから、異母姉と年が近いんだろうか。
私の興味はここで失せ、ボロ屋に戻る。
音を立てないように扉を開けると、白い仔犬が飛び出してきた。
『ご主人!なにもなかったか?見たことのない気配が来ていたが…』
この子はノア。
前私が庭で拾ったんだけど、言葉を話す、特別な子だ。
とはいってもそもそもこの子は犬ではない。
神獣の狼が小さくなった姿だ。
神獣は本来、神の申し子と呼ばれる子を守る役職のはずだけど…私の傍から離れないので放置するコトにしていた。
『なぁご主人…頼みがあるんだが』