どうも、魔導師様に拾われた幼女です!
それに、そうしたらアンナとソフィアが姉に、セバスとルカとエミールが兄に、ロドリゴとピエールが父に、カタリーナとマルグが母に、立候補するだろう。
もう、うちの使用人は、あわれみから始まったものの、もうメリーの虜なんだから。
でも、ルカは私より年下だし、メリーのような幼子も魅了する、美少年だ。
メリーが惹かれないか心配だな。
ルカには、メリーとの接触を禁止にしてもらおうか。
いっそ、厨房の奥の奥を任せてもいいかもしれない。
メリーの目に入らないくらい、奥深くで仕事だけさせればいい。
今までもそうだったんだから。
「…リヴェルトナス様、なにかよからぬことを考えているようですが?」
ロドリゴが呆れたように眉尻を下げ、じっと見つめてきた。
「気のせいではないですか?私はメリーを大切に思っているだけです」
「本当ですか?…ならいいですが」
ロドリゴは諦めたようにカタリーナとマルグと真央を見合わせて苦笑する。
「ではリヴェルトナス様、御前失礼いたします」
マルグが一礼してから、部下とドレスの確認に向かう。
「リヴェルトナス様、我々も行きましょう」
「えぇ、そうですね」
ロドリゴとカタリーナを連れて私の部屋の隣の空き部屋に向かう。
そこは客室の一つで、ベッドとテーブル、ハンモックと長椅子、棚はそろっていた。
「ぬいぐるみでも置きましょうか」
「ぬいぐるみですか?屋敷には御座いませんよ、このお屋敷に来る方など、そうそういませんし。リヴェルトナス様のお知り合いの中に、ぬいぐるみを好む年齢の御令嬢がいるのですか?」
「急にどうしたのですかカタリーナ。いませんよ」
「でしょう?もしや私に手配しろと?」
「あなたは侍女でしょう、メリーのためですよ」
「謹んでお受けいたします」
ちょっとメリーの沼にのめり込み過ぎじゃないか。
「可愛らしいのにしてくださいね」
「もちろんでございます」
嬉しそうにカタリーナが一礼し、足早に、忙しそうに指示を飛ばす声が遠くなる。
「…リヴェルトナス様」
「なんですか?」
「どうするおつもりです?いくらあれほど愛らしくお可哀想とはいえです。侯爵意をいただいているリヴェルトナス様が他家の御令嬢を勝手に引き取るなど…」
「侯爵位をいただいているからこそ、人を救うべきだと思うのです。メリーはあのままだと間違いなく死に至るでしょう。運よく存在を忘れられて抜け出せたとしても…彼女の足で、どこまでいけるか。彼女を救ってくれる者がいるでしょうか。もし人攫いに遭ったら?綺麗な顔なのできっと趣味の悪い貴族に売られてしまうでしょう。もし貴族や商人に拾われたとして、メリーは幸せになりますか?」
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