王子と姫の溺れる愛
「―――――琉王さん!」

そこに、琥珀と椿姫が声をかけてきた。

「琥珀、椿姫さんも。
ご無沙汰してます」

「こちらこそ!
お元気そうで何よりです!」
椿姫が微笑む。

「元気ではないです。
全然、メグと話が出来ない。
会場にきて、まだ一度もメグと目でさえ合ってない。
僕はずっと“メグだけを”見つめてるのに。
なんだか、片想いをしてるみたいです」

「あら…
ご挨拶は?
先程、私と琥珀には挨拶に来てくださったのに」

「それは“湯王”だからですよ。
琥珀に一番に挨拶しないと、琥珀がすぐにふてくされるから」

「は?
なんだよ、それ!」
「フフ…!確かに(笑)」

「琥珀は、自分が一番なんだから。
みんな気を遣ってるんだよ」

「それは、当たり前だろ!」

「まぁ…本当に一番だから、何とも言えないんだけどね」

「…………つか!!
早くプロポーズしろよ!」


先月、琥珀が言ったのだ。

『おっさんが、口を挟めないようにすればいい』

『は?』

『パーティーの日。
俺達がいる会場で、みんなが見てる前で“プロポーズしろよ”
会場内の奴等全てを、味方につけるんだよ!
それで、その場で芽梨が“了承すれば”おっさんも何も言えないだろ?』

と――――――


「だから!
あの中に割って入れないの!
僕は、まだただの恋人なんだから!
それに、勇雄さんが牽制してるだろ?」

「フフ…勇雄さんは、メグちゃんのことが大好きですもんね!」

「いえ…
“大好き”って枠を超えてます」

「あ…そうね(笑)
うーん…
でしたら、私がメグちゃんを連れて参ります!」

「え!?
出来ますか!?」

「えぇ、だって私も“湯王の人間ですから(笑)”」
そう言って椿姫が、芽梨達の元へ向かう。

「…………メグちゃん!」

「え?あ!
椿姫姉様!」
芽梨は椿姫のことを慕っていて“椿姫姉様”と呼び、本当の姉のように思っている。

「皆様、お話中申し訳ありません。
どうしても、芽梨さんとお話したいことがあって……!
少し、お借りしても?」

「椿姫様、さようですか!」
「もちろんでございます!」

「姫坂のおじ様、おば様、勇雄さんもよろしいですか?」

「あぁ!」
「えぇ!」
「椿姫嬢なら良いよ!」

そして椿姫が、芽梨を連れて戻ってきた。

「琉王さん!」
芽梨が琉王の存在を認めて、嬉しそうにふわりと微笑んだ。

「メグ!」

「ご挨拶が遅れて申し訳ありません!」

「ううん!良いんだよ?
でも、やっと話せる!
やっと、目が合った!
……………メグ、誕生日おめでとう!」
頭を下げる芽梨の頭を上げさせ、琉王は嬉しそうに笑った。

「フフ…ありがとうございます!」

「それでね。
メグに伝えたいことがあるんだ!」
琉王が指輪ケースを取り出し、中から指輪を取った。

「//////琉王さん、それ…///////」

「うん。
メグ、僕と結婚してください……!」

琉王は、わざと“会場内に聞こえるように”声を張り上げ言った。

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