王子と姫の溺れる愛
そこに「失礼します」と、矢澤が入ってきた。

「琉王様、お嬢様がお呼び………え…!?
勇雄様!!何を……!!?」
胸ぐらを掴まれている琉王を見て、慌てて止めようとする。

「うるせぇよ…」
琉王の胸から手を離した勇雄は呟き、壁をおもいきり殴った。

「勇雄様…」

「矢澤、メグは何処にいるの?」

「あ、はい。
会場にいらっしゃいます。
椿姫様にカフェに誘われたそうで、皆様で一緒に行きたいとおっしゃってます。
どうされますか?」

「もちろん、行くよ」

「勇雄様、琥珀様もよろしいですか?」

「椿姫がいるなら行く」
「俺も、芽梨がいるなら行く」

「え?お兄さんも行くの?」

「は?当たり前だろ!!」

睨み合う琉王と勇雄を見て、琥珀は何度目かのため息をつくのだった。


矢澤がリムジンを琉王達が待つ、ホテル前につける。
琥珀と椿姫は、二階堂の運転する車でカフェに向かっている。
「お待たせしました!
お嬢様、どうぞ?」

「うん、ありがとう!」
芽梨が乗り込む。

すると矢澤が、琉王と勇雄を見据えた。
「お嬢様の前では、できる限り仲良くお願いします。
お二人のことをかなり気にされていますので」

「わかった」
「わかってる」
琉王と勇雄が頷き、二人も乗り込んだ。

カフェに向かう車内では、芽梨が楽しそうに話していて、琉王が微笑み相槌を打っている。

「椿姫姉様がご友人とよく行かれているカフェらしくて、色んなインテリアの個室があるんですって!」

「へぇ~、そうなんだね!
楽しみだね」

「それで、チーズケーキが美味しいらしいですよ!」

「そっか!
じゃあ、一緒に食べようね!」

「兄様も……
………ん?兄様?どうしたの?」
窓の縁に頬杖をついて窓の外を眺めている勇雄に、首を傾げる芽梨。

「ん?」
芽梨にはとにかく優しく、穏やかな勇雄。
優しく微笑んだ。

「兄様、パーティーで疲れたかな?
お屋敷に帰る?」

「いや、俺もチーズケーキ食いたいな!」

「うん、良かった…!」

勇雄の笑顔を見て、ホッとしたように息を吐いた。


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