婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました
「だが、彼は実際、我が軍を迎い撃つ構えを見せた。剣を抜いたのは彼だ。」

「それは……国を守るためです!突然兵が国境に現れたのを知って、何もせずにはいられなかったのです!」

「食料を調達した国に対してか?何の使者もなく、礼もなく、ただ剣を抜いた。」

「それは――ベンジャミン王。あなたの方ではありませんか。」

私ははっきりと目を見据えた。

そう、最初に動いたのは――王、あなたです。


「私はあなたという友の為に動いたのだ。」

そう言って、ベンジャミン王は私の肩に両手を添え、しっかりと目を見据えてきた。

「私は――友を幽閉したクリフ国王を、どうしても許すことができない。」

その言葉に、私は胸が締め付けられるような思いになった。そして、自然と床に膝をついていた。

「お許しください……どうか、この国を……クリフ国王を攻めないでください……!」

必死の願いに、静寂が落ちた。

やがてベンジャミン王は溜息をつき、椅子に腰を下ろした。そして、穏やかに微笑んで言った。

「……ならば、しっかりと反省してもらおうじゃないか。友としてな。」

その笑顔に、私はようやく安堵の息を漏らした。
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