婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました
私はグレイブと一緒に両親のもとへ向かった。

「グレイブと結婚したい」

その言葉は、ずっと胸に温めていた願いだった。

両親は驚いた様子で私たちを見つめる。

「いつの間にそんな仲に⁉」

両親は飛び跳ねるように驚いた。

「グレイブ、公爵家の娘に手を出したのか。」

「まだ、手は出してません。」

はっきり言うグレイブに、なんだか照れてしまう。

「確かにグレイブは騎士団長だし、ワイズ家の婿としても申し分ない。」

「お父様……」

「だがな。私としては、アーリンは貴族と結婚して欲しいのだ。」

私とグレイブは、下を向いてしまった。

「あなた達、気持ちは確かなの?」

お母様の質問に、私とグレイブは一緒に頷いた。

「ねえ、あなた。このままではアーリンは、グレイブと結婚しないなら、誰とも結婚しないと言ってきますよ。そうなるとワイズ家の娘は、一向に結婚しないと周囲から冷たい目で見られます。」

「そうだが……」

貴族と一般人の壁。

そこには、お父様の誇りが漂っているように見えた。


「この話は、一旦とっておく。」

お父様からの結婚の話は、許されなかった。
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