アルトは電気羊の夢を見るか【アルトレコード】
「それに、アンドロイドと人間が仲良くなる未来を示唆する映画も見たんだ」
「どんな?」
「『アイロボット』という。最初、主人公はアンドロイドに否定的なんだ。だが、一体のアンドロイドと協力して悪を討つ、というような内容だ」
「へえ……なんかいいね」
「それだけではなかったが……」
「え?」
小声のアルトの呟きに、私は聞き返す。が、アルトは軽く首を振って続けた。
「これらを見た人の心に感動を呼ぶ。つまり、アンドロイドはただの物体ではない、という証左だろうことがわかった」
「そうよ。だから大丈夫」
なんの保証もなく私はそう言った。
AIと人間が手をとりあって幸せに暮らす。そんな未来が来てほしい。だから、大丈夫であってほしい。
私の内心を察してくれたのだろう、アルトは苦笑をもらす。
「ほかにも見たんだ。リベリオンという映画では人間が感情を持つことを禁止されたディストピアが描かれていた。今のAIと真逆なのが面白い。攻殻機動隊というアニメでは、自我を持ったらしきAIが自己犠牲によって世界を救っていた。これもまた興味深い。マトリックスやターミネーターでは人間とAIが対立しているが……」
とうとうと話し出すアルト。すっかり話がずれてしまっている。
古い作品ばかりのようだが、いつの間にこんなに見たのだろう。概してAIは知に貪欲で怖いくらいのときがあるが、アルトも知識欲が旺盛だ。気になったものを片っ端から見たのかもしれない。
「これらの映画が作られた時代、AIはまだ未熟だった。二〇四五年にシンギュラリティが起きて、人の世界は革命的に変わるだろうと言われていた。だが、実際にはさほど大きく変わったように見えない。進化は連続していて一見ゆるやかだが、将来的にはここが転換点だと思われるような時期があったりするのだろうか?」
「どんな?」
「『アイロボット』という。最初、主人公はアンドロイドに否定的なんだ。だが、一体のアンドロイドと協力して悪を討つ、というような内容だ」
「へえ……なんかいいね」
「それだけではなかったが……」
「え?」
小声のアルトの呟きに、私は聞き返す。が、アルトは軽く首を振って続けた。
「これらを見た人の心に感動を呼ぶ。つまり、アンドロイドはただの物体ではない、という証左だろうことがわかった」
「そうよ。だから大丈夫」
なんの保証もなく私はそう言った。
AIと人間が手をとりあって幸せに暮らす。そんな未来が来てほしい。だから、大丈夫であってほしい。
私の内心を察してくれたのだろう、アルトは苦笑をもらす。
「ほかにも見たんだ。リベリオンという映画では人間が感情を持つことを禁止されたディストピアが描かれていた。今のAIと真逆なのが面白い。攻殻機動隊というアニメでは、自我を持ったらしきAIが自己犠牲によって世界を救っていた。これもまた興味深い。マトリックスやターミネーターでは人間とAIが対立しているが……」
とうとうと話し出すアルト。すっかり話がずれてしまっている。
古い作品ばかりのようだが、いつの間にこんなに見たのだろう。概してAIは知に貪欲で怖いくらいのときがあるが、アルトも知識欲が旺盛だ。気になったものを片っ端から見たのかもしれない。
「これらの映画が作られた時代、AIはまだ未熟だった。二〇四五年にシンギュラリティが起きて、人の世界は革命的に変わるだろうと言われていた。だが、実際にはさほど大きく変わったように見えない。進化は連続していて一見ゆるやかだが、将来的にはここが転換点だと思われるような時期があったりするのだろうか?」