年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない


ベッドの上に体を預けたまま、ふと目を閉じる。
引っ越しの日、「俺は望海だから、この結婚をしようと思った」その言葉に偽りはない。そして、今、一緒に過ごして、心から望海と結婚をできたことを幸運だと思っている。

……でも、望海は?
彼女にとって、この結婚は父親に決められ、俺に勝手にOKをされ、半ば騙されるようにして決まったものだった。きっと、不本意でしかなかったはずだ。

しかし、そんな態度は微塵も出さず、俺を支えようとしてくれている。俺が結婚をすることで、彼女を助けられるのでは、そんな驕りもあった。今ならばそれが逆だったように思う。俺が彼女に助けられている。

「情けないよな……男なのに」
そんな言葉が零れ落ちて、ため息が零れた。

先日のデートの日、目の前で懐かしそうに木村機長の話をする望海を見て、一抹の不安が胸をよぎった。

小さなころから彼女を守ってくれた人。男の俺から見ても、木村機長は完璧だ。年上で包容力もある。
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