年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない


だからこそ、客室乗務員という仕事にぴったりだ。しかし、今はそんな分析をしている場合ではない。

「確認だけど、噂っていうのは、私が木村機長と鷹野機長の二股をかけてるってこと?」
「そうです。チーフみたいに素敵な人なら、どちらの方とお付き合いしていてもおかしくないとは思います。でも、結婚するのは木村機長で、遊び相手が鷹野機長だっていうのは……」

「お付き合いしていてもおかしくない」と思ってくれたこと。
そしてなにより、私が奏多くんの隣に立つことを受け入れてくれていることに、ほんの少しだけうれしくなる。

彼の隣にふさわしい人になりたい――そう思い続けてきたからこそ、心のどこかで安堵が広がった。

「莉子ちゃん、ありがとう。信じてくれて。断じて二股なんてしてない」
もちろん、これまでのすべてを話せるわけではないし、奏多くんとのことも言えない。でも、否定はできる。きっぱりと伝えると、莉子ちゃんは安心したようににっこりと笑った。

「でも、本当に変なんですよ。ここ数週間で、この噂が一気に広がってて。それも、チーフの評判が悪くなるような内容ばかりで……」

莉子ちゃんの言葉に、周りで着替えていた後輩たちも、興味を引かれたのか集まってきた。
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