年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない


「ですよね! 私たちは若林チーフのことをずっと見てきたし、絶対に二股なんてするはずないって思ってます!」
「むしろ、チーフって奥手ですよね。男性が苦手というか……。お客様にはきちんと対応するけど、男性社員には塩対応だし」

どこか悪口のようにも聞こえるが、それでも私のことをよく理解してくれている後輩たちの言葉に、ほんのりうれしさが募る。
それにしても、ここ数週間でこんなにも話が広がっているなんて……。

考えられる理由は、ただ一つ。

「ねえ、その噂、誰から聞いたの?」
莉子ちゃんが周りを見渡しながら問いかけると、後輩たちは少し考えるような表情を浮かべた。

「私は秘書課の同期から聞いたかな」
「私はLAT本社の彼氏から。木村機長がチーフと結婚するって言ってたとか、なんとか……」

確かに、征爾兄さまも私たちのことを知っていた。それは身内しか知らないようなことばかり。過去、学生時代にされた沙羅の嫌がらせによく似ている。
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