年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない

沙羅は本気で私と奏多くんを別れさせたいのだろう。奏多くんと話す前に、沙羅と話すべきなのだろうか。そう思っていた時だった。

「ねえ、大変!! ロンドン便の機体に異常が出たって、大騒ぎになってる!」
「え?」

「胴体着陸になるかもだって!!」
その言葉に、息が詰まりそうになる。

胴体着陸となれば、火災のリスクもある。お客様の誘導や緊急対応を考えなければ――。脱ぎかけていた制服を、素早く着直した。
「申し訳ないけど、みんな、すぐに持ち場に戻って!」
「はい!」
私が言うより早く、みんなはすでに表情を引き締め、制服を整えていた。

空港に戻ると、ロビーにはまだ特に変化はない。待合室の乗客たちは普段通りで、この事態はまだ知らされていないようだった。

すぐにオペレーションセンターへ向かう。成田の管制や運航管理と連絡をとるその部屋には、すでにLATスカイ地上業務を仕切るグラハンのリーダーたちが集まり、緊迫した空気が張り詰めている。

ドアを開けると、部屋の中央に設置されたモニターには、LAT151便の情報が映し出されていた。
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