年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない

「連れ? 本当か?」

男は疑わしげに眉をひそめ、わずかに身を引きながら鷹野君を見たが、彼は一分の隙も見せず、わずかにまぶたを伏せるだけで応じる。

「ああ」

それだけを告げた低い声は、静かだが有無を言わせない迫力があった。

「行くぞ」

私の肩を抱くと鷹野君はカウンターへ戻り、私の隣の席に腰を下ろした。

「望海ちゃん、大丈夫? あのお客さん、今日初めていらっしゃったんだけど……困ったものね」

女将さんが心配そうに声をかけてくれる。その視線は隣に座る鷹野くんにも向けられていた。
 
「望海ちゃんを助けていただいてありがとうございます。奥に戻られます?」
女将の問いに、鷹野君は迷うことなく口を開く。
「いえ、もう少しここにいます」
「じゃあ、こちらにご用意しますね」
「え? 女将さん!」

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