年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
振り返ると、顔を赤らめた男がニヤニヤと笑いながら近づいてくる。

「すみません、友人が待っているので」

そう断って足早に通り過ぎようとしたが、男は動じる気配もなく、さらに距離を詰めてきた。

「そんなこと言わずに、少し話そうよ。カウンターにひとりだったのは知ってる」

背筋がぞわりとする。

何を言っても無駄な気がして、その場を離れようと男の横をすり抜けようとした。

その瞬間、アルコールのせいか足がもつれ、軽くよろける。
 それを見た男がニヤリと笑い、手を伸ばしてきた。

「やめてください」

その手を払おうとした私だったが、なぜか後ろから抱き留められていた。

「俺の連れだ」

低く落ち着いた声が、男と私の間に割り込むように響いた。
まるでその場の空気ごと凍らせるような声音に、酔った男は戸惑いを見せた。

私も慌てて振り返ると、そこには鷹野君が立っていた。
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