年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない

「若林さんのフォローは完璧でしたよ」

低く通る声が、静かに空気を変えた。
場の全員がそちらに視線を向けたとき、鷹野君は淡々と、それでいてどこか鋭く言葉を続けた。

「彼女がいなければ、この対談は成立しませんでした。むしろ彼女がいたからこそ、ここまで持ち直せたんです」

父が返す言葉に詰まったように眉をひそめ、北村さんも唇を尖らせて俯いた。
誰もなにも言えなくなった空気の中で、私はただ、胸がじんと熱くなるのを感じていた。

きちんと見ていてくれる人がいる。努力を認めてくれる人がいる――それだけで、救われる気がした。
そしてなにより、そのまっすぐな言葉がうれしかった。
< 77 / 274 >

この作品をシェア

pagetop