年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
「お前ができることなんて、せいぜい誰かの後ろについて指示を聞くことくらいだ。今日のことも、本来なら必要なかったはずだ。お前があの場にいなければもっとスムーズに進んでいた」
私がいなければ、彼女は泣かされていたでしょうね。そんなことを思いつつも、言い返さずにリビングの扉に手をかけると、すでに帰っていたのだろう。沙羅が扉を開けて入ってきた。
「あら、帰ってきたの」
ネイルサロンにでも行ったのか、爪を確認しつつ沙羅が私を見ずにそう口にした。
「姉さん、またやらかしたみたいね」
クスクスと楽しそうに言うと、沙羅は冷蔵庫からミネラルウォーターを出すとグラスに注いでいる。