年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
それから鷹野家からの返事はなく、それでも見合いの準備は着々と進んでいった。
そして迎えた当日。
「振袖を着て行きなさい」
そう父に伝えられたのは、数日前のことだった。梅雨も明け、一気に暑さが増し、気温もかなり高いのに……。それに、三十歳を過ぎて振袖なんて。そう思ったものの、断る気力もなく、結局その通りにすることになった
朝、家にやって来た着付けスタッフは、朗らかで仕事に慣れた様子の女性だった。どこか申し訳なさそうな私の態度を気にすることもなく、手際よく帯を締め、襟元を整えていく。