年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
しかし、父は全く気にしていないようで、さらに口を開く。
「誰でもできる仕事でしょう。あんな仕事をするくらいなら、おとなしく家事手伝いをしていればいいものを」
「彼女の仕事は立派なものではないですか? 先日の取材も、彼女がいたから成功したのでは?」
低い声音のまま、鷹野君がそう口にする。本気でそう思ってくれているのなら、うれしい。だけど、父の価値観は変わらないはずだ。
「ただ勤務歴が長いだけですよ。知識なんてあって当たり前でしょう」
これ以上は、他のスタッフまで侮辱することになる。話を変えなければ――。そう思い、私は咄嗟に口を開いた。
「あの――」
自分の声が思いのほか大きくなってしまったことに気づく。鷹野君の視線がふっと私に向けられたのを感じ、私は息を整えながら精一杯の笑みを作った。
父がこれ以上失礼な発言を続けるのを止めるため、必死に言葉を探しながら口を開く。