キスはボルドーに染めて
陽菜美にキスしたいと言った蒼生の瞳には、ソファで見つめ合った時と同じように熱っぽさが込められていた。
そして陽菜美の唇に触れた指先は、とても温かく優しかったのだ。
「蒼生さん……」
手に持つ掃除機をぐっと抱きしめると、陽菜美は「ほう」と熱くこもった息を漏らす。
こういうのを二人の想いが通った瞬間というのだろうか。
夢見心地のまま、ふわふわとする足取りで廊下の角を曲がる。
そしてふと顔を上げた陽菜美は、突然目線の先に現れた人影にビクッと身体を揺らした。
「明日がプレゼンだというのに、随分と浮かれた様子ね」
嫌味っぽい声を出しながら、ふんと鼻先を上に向けているのは社長の美智世だ。
美智世の登場に、陽菜美は一気に全身で緊張すると、強張らせた顔を向ける。
「お、お疲れ様です」
陽菜美は道を譲るようにサッと壁際に避けるが、美智世からの反応は何もなかった。
美智世は秘書を従えて真っすぐ進んでくると、頭を下げる陽菜美の横を、ヒールを鳴らしながら通り過ぎる。
そして陽菜美の唇に触れた指先は、とても温かく優しかったのだ。
「蒼生さん……」
手に持つ掃除機をぐっと抱きしめると、陽菜美は「ほう」と熱くこもった息を漏らす。
こういうのを二人の想いが通った瞬間というのだろうか。
夢見心地のまま、ふわふわとする足取りで廊下の角を曲がる。
そしてふと顔を上げた陽菜美は、突然目線の先に現れた人影にビクッと身体を揺らした。
「明日がプレゼンだというのに、随分と浮かれた様子ね」
嫌味っぽい声を出しながら、ふんと鼻先を上に向けているのは社長の美智世だ。
美智世の登場に、陽菜美は一気に全身で緊張すると、強張らせた顔を向ける。
「お、お疲れ様です」
陽菜美は道を譲るようにサッと壁際に避けるが、美智世からの反応は何もなかった。
美智世は秘書を従えて真っすぐ進んでくると、頭を下げる陽菜美の横を、ヒールを鳴らしながら通り過ぎる。