キスはボルドーに染めて
「ここにしようか」
蒼生の落ち着いた声が聞こえ、陽菜美はうつむくとこくりとうなずいた。
年代を感じさせるような重い木の戸をくぐり、薄暗い店内に入る。
店は縦長で一番奥にカウンター席があり、蝶ネクタイ姿でシェイカーを振る、バーテンダーの姿が見えた。
ゆったりとしたジャズが流れる店内を、蒼生の後についてそろそろと進む。
途中のテーブル席には、カップルや会社帰りと思われる男性グループが座っていた。
蒼生は慣れているのか、顔を上げたマスターに軽く挨拶すると、カウンター席に手をかける。
「あ、ありがとうございます……」
陽菜美はドギマギと声を出すと、蒼生が引いてくれた背の高い椅子に腰かけた。
しばらくして蒼生の前にはブランデーが、陽菜美の前にはシャンパングラスに注がれたオレンジ色のカクテルが置かれる。
グラスの脇にスライスされたオレンジが添えられているそのカクテルは、発砲酒なのか中でシュワシュワと泡が立ち上るのが見えた。
蒼生の落ち着いた声が聞こえ、陽菜美はうつむくとこくりとうなずいた。
年代を感じさせるような重い木の戸をくぐり、薄暗い店内に入る。
店は縦長で一番奥にカウンター席があり、蝶ネクタイ姿でシェイカーを振る、バーテンダーの姿が見えた。
ゆったりとしたジャズが流れる店内を、蒼生の後についてそろそろと進む。
途中のテーブル席には、カップルや会社帰りと思われる男性グループが座っていた。
蒼生は慣れているのか、顔を上げたマスターに軽く挨拶すると、カウンター席に手をかける。
「あ、ありがとうございます……」
陽菜美はドギマギと声を出すと、蒼生が引いてくれた背の高い椅子に腰かけた。
しばらくして蒼生の前にはブランデーが、陽菜美の前にはシャンパングラスに注がれたオレンジ色のカクテルが置かれる。
グラスの脇にスライスされたオレンジが添えられているそのカクテルは、発砲酒なのか中でシュワシュワと泡が立ち上るのが見えた。