キスはボルドーに染めて
せっかく名門のシャトーまで来て、ワインの試飲すらしていなかったことに、今更気がついたのだ。
目をまん丸に見開く陽菜美の姿に、蒼生は再び楽しそうに笑い声をたてる。
陽菜美はその声につられるように、笑顔で大きく手を振った。
「じゃあ、ヴィンテージものでお願いしますね!」
「あぁ、任せろ」
蒼生もそう言うと片手を高く上げている。
「いつか……また」
「あぁ、いつかまた会おう」
陽菜美は満面の笑みを蒼生に返すと、くるりと背を向けて歩き出した。
歩きながら陽菜美は、小さな鞄をぎゅっと両手で握り締める。
きっともう二度と蒼生に会うことはないだろうと思う。
それでも、失恋の傷に耐え切れずここまで逃げてきた自分が、今こうして顔をあげて進むことできるのは、蒼生に出会ったおかげだ。
「ありがとう」
陽菜美はそう小さくつぶやくと、一歩一歩足を進める。
決してもう泣かないと、心に刻みながら。
目をまん丸に見開く陽菜美の姿に、蒼生は再び楽しそうに笑い声をたてる。
陽菜美はその声につられるように、笑顔で大きく手を振った。
「じゃあ、ヴィンテージものでお願いしますね!」
「あぁ、任せろ」
蒼生もそう言うと片手を高く上げている。
「いつか……また」
「あぁ、いつかまた会おう」
陽菜美は満面の笑みを蒼生に返すと、くるりと背を向けて歩き出した。
歩きながら陽菜美は、小さな鞄をぎゅっと両手で握り締める。
きっともう二度と蒼生に会うことはないだろうと思う。
それでも、失恋の傷に耐え切れずここまで逃げてきた自分が、今こうして顔をあげて進むことできるのは、蒼生に出会ったおかげだ。
「ありがとう」
陽菜美はそう小さくつぶやくと、一歩一歩足を進める。
決してもう泣かないと、心に刻みながら。