キスはボルドーに染めて
陽菜美がやや緊張して強張った顔を上げた時、コンコンというノック音とともに、部屋の扉が開いた。
「こんにちは」
上品な笑顔を見せながら入って来たのは、陽菜美より少し年上と思える、とても綺麗な女性だ。
女性は春らしい淡いピンクの花柄のワンピースに、しなやかな長い髪を揺らしながらほほ笑んでいる。
身内というから、美智世を想像していた陽菜美は、あまりに可憐な女性の姿に一瞬呆気に取られてしまった。
すると突然「キャー」という叫び声が聞こえ、女性の足元を小さな男の子がすり抜けてくる。
「あらあら、大変。ごめんなさいね」
女性はくすりと肩を揺らすと、再び陽菜美に顔を向けた。
「突然来てしまったのだけど、蒼生……蒼生さんはお出かけかしら?」
ぐるりと室内を見渡す女性に、陽菜美ははっと我に返る。
「蒼生さんは外部で打ち合わせが入っていまして、もう少ししたら戻ると思います」
陽菜美が慌ててソファをすすめると、女性はにっこりとほほ笑んだ。
陽菜美はそっと親子と思われる二人の様子を伺う。
「こんにちは」
上品な笑顔を見せながら入って来たのは、陽菜美より少し年上と思える、とても綺麗な女性だ。
女性は春らしい淡いピンクの花柄のワンピースに、しなやかな長い髪を揺らしながらほほ笑んでいる。
身内というから、美智世を想像していた陽菜美は、あまりに可憐な女性の姿に一瞬呆気に取られてしまった。
すると突然「キャー」という叫び声が聞こえ、女性の足元を小さな男の子がすり抜けてくる。
「あらあら、大変。ごめんなさいね」
女性はくすりと肩を揺らすと、再び陽菜美に顔を向けた。
「突然来てしまったのだけど、蒼生……蒼生さんはお出かけかしら?」
ぐるりと室内を見渡す女性に、陽菜美ははっと我に返る。
「蒼生さんは外部で打ち合わせが入っていまして、もう少ししたら戻ると思います」
陽菜美が慌ててソファをすすめると、女性はにっこりとほほ笑んだ。
陽菜美はそっと親子と思われる二人の様子を伺う。