キスはボルドーに染めて
「来客? 珍しいね」
「は、はい……。蒼生さんのお義姉さんが……」
陽菜美がそう言った瞬間、杉橋の手元から茶筒がするりと落ちた。
滑り落ちた茶筒は蓋が外れ、茶葉がバサッと音を立てて床に広がっている。
「え……? 今、なんて言った……?」
杉橋は明らかに動揺したように目線を泳がせると、次第に青くなる顔を陽菜美に向ける。
「蒼生さんの、義理のお義姉さんです……」
陽菜美の声を聞いた途端、杉橋の「……マジかよ」という、うめき声にも似た苦し気な息づかいが漏れ聞こえた。
陽菜美はバッと顔を上げると、落ちた茶葉もそのままに、杉橋の腕を掴んで強く揺する。
「やっぱり、何かあるんですよね!? 蒼生さんとお義姉さんの間に……」
切羽つまったような陽菜美の声に、杉橋は初め躊躇った様子だったが、しばらくしてゆっくりと首を振った。
「俺も詳しくは知らない。蒼生は何も教えてくれないからね。ただ……」
「ただ……?」
「三年前、急に蒼生がうちに入社した背景に、お義姉さんが関係してるって噂がある……」
「は、はい……。蒼生さんのお義姉さんが……」
陽菜美がそう言った瞬間、杉橋の手元から茶筒がするりと落ちた。
滑り落ちた茶筒は蓋が外れ、茶葉がバサッと音を立てて床に広がっている。
「え……? 今、なんて言った……?」
杉橋は明らかに動揺したように目線を泳がせると、次第に青くなる顔を陽菜美に向ける。
「蒼生さんの、義理のお義姉さんです……」
陽菜美の声を聞いた途端、杉橋の「……マジかよ」という、うめき声にも似た苦し気な息づかいが漏れ聞こえた。
陽菜美はバッと顔を上げると、落ちた茶葉もそのままに、杉橋の腕を掴んで強く揺する。
「やっぱり、何かあるんですよね!? 蒼生さんとお義姉さんの間に……」
切羽つまったような陽菜美の声に、杉橋は初め躊躇った様子だったが、しばらくしてゆっくりと首を振った。
「俺も詳しくは知らない。蒼生は何も教えてくれないからね。ただ……」
「ただ……?」
「三年前、急に蒼生がうちに入社した背景に、お義姉さんが関係してるって噂がある……」