キスはボルドーに染めて
「でも、決して忘れないで」
陽菜美は一旦言葉をきると、大きく息を吸って、純玲にまっすぐな瞳を向ける。
「たとえあなたが、苦しみを抱えて過ごしていた人だったとしても、あなたの罪はあまりにも重い。あなたの嘘は、あまりにも多くの人を傷つけたんです」
陽菜美の言葉に純玲が目を見開く。
陽菜美は一旦口を閉じると、床に転がった美智世のスマートフォンに目を向けた。
あの時、無我夢中でスマートフォンを取り上げた純玲は、確実に母親の顔をしていたはずだ。
陽菜美は再び純玲に目を向ける。
「でも、あなたが結翔くんを守ろうとする気持ちは、嘘偽りのない真実だったはず。結翔くんにとって母親はあなた一人です。私はただ、結翔くんの幸せを願っています……」
陽菜美の声は静かな室内に響き渡る。
純玲はしゃくりあげるように肩を揺らすと、顔を覆って「あぁ」とソファに泣き崩れた。
しばらくして、陽菜美の肩に蒼生がそっと手をかける。
「蒼生さん……」
陽菜美が見上げると、蒼生は優しくほほ笑んだ。
「陽菜美、もう帰ろう」
蒼生の声に陽菜美はこくりと首を動かす。
そして二人はお互いの手をぎゅっと握りしめたまま、OTOWAホールディングスを後にしたのだ。
陽菜美は一旦言葉をきると、大きく息を吸って、純玲にまっすぐな瞳を向ける。
「たとえあなたが、苦しみを抱えて過ごしていた人だったとしても、あなたの罪はあまりにも重い。あなたの嘘は、あまりにも多くの人を傷つけたんです」
陽菜美の言葉に純玲が目を見開く。
陽菜美は一旦口を閉じると、床に転がった美智世のスマートフォンに目を向けた。
あの時、無我夢中でスマートフォンを取り上げた純玲は、確実に母親の顔をしていたはずだ。
陽菜美は再び純玲に目を向ける。
「でも、あなたが結翔くんを守ろうとする気持ちは、嘘偽りのない真実だったはず。結翔くんにとって母親はあなた一人です。私はただ、結翔くんの幸せを願っています……」
陽菜美の声は静かな室内に響き渡る。
純玲はしゃくりあげるように肩を揺らすと、顔を覆って「あぁ」とソファに泣き崩れた。
しばらくして、陽菜美の肩に蒼生がそっと手をかける。
「蒼生さん……」
陽菜美が見上げると、蒼生は優しくほほ笑んだ。
「陽菜美、もう帰ろう」
蒼生の声に陽菜美はこくりと首を動かす。
そして二人はお互いの手をぎゅっと握りしめたまま、OTOWAホールディングスを後にしたのだ。