キスはボルドーに染めて
すると目を丸くする陽菜美に気がついたのか、杉橋がこそっと指で合図する。
「美智世社長は、蒼生の父親の実の妹。つまり蒼生から見たら、叔母にあたる人なんだよね」
杉橋の声に陽菜美は小さくうなずいた。
美智世は一旦ギロリと陽菜美を見ると、すぐに蒼生に視線を戻す。
「私がどのような用件でここに来たのかは、蒼生さんが一番お分かりのはず」
「と、言いますと?」
「まぁ、惚けるのがお上手だこと」
美智世は、持っていた扇子で口元を覆うと、ほほほと笑い声を上げた。
でもその瞳が一切笑っていないことは、陽菜美だけでなくこの部屋にいる誰もがわかっている。
「蒼生さん。勝手なことをされては困るのですよ。人事部にも立場ってものが、ありますでしょう?」
美智世は大きく首を振ると、大袈裟に嘆いて見せた。
「はて? 勝手なこととは、何のことでしょうか?」
蒼生のわざとらしい声に、美智世はふんと鼻をならすと、ビシッと扇子を陽菜美に向かって掲げる。
「美智世社長は、蒼生の父親の実の妹。つまり蒼生から見たら、叔母にあたる人なんだよね」
杉橋の声に陽菜美は小さくうなずいた。
美智世は一旦ギロリと陽菜美を見ると、すぐに蒼生に視線を戻す。
「私がどのような用件でここに来たのかは、蒼生さんが一番お分かりのはず」
「と、言いますと?」
「まぁ、惚けるのがお上手だこと」
美智世は、持っていた扇子で口元を覆うと、ほほほと笑い声を上げた。
でもその瞳が一切笑っていないことは、陽菜美だけでなくこの部屋にいる誰もがわかっている。
「蒼生さん。勝手なことをされては困るのですよ。人事部にも立場ってものが、ありますでしょう?」
美智世は大きく首を振ると、大袈裟に嘆いて見せた。
「はて? 勝手なこととは、何のことでしょうか?」
蒼生のわざとらしい声に、美智世はふんと鼻をならすと、ビシッと扇子を陽菜美に向かって掲げる。