キスはボルドーに染めて
「実は俺も一つ思いついたことがあったんだが、少し考えあぐねていたんだ。でも今、陽菜美の話を聞いて、やっと考えがまとまった」

 にっこりとほほ笑む蒼生にドキッとすると、陽菜美はその瞳をじっと見つめた。

「俺の案と、陽菜美の案を合わせるんだ」

「あ、合わせる?」

 首を傾げる陽菜美に、蒼生は大きくうなずく。


「そしてこの企画は、OTOWA(オトワ)グループの企画にできる」

「OTOWAグループ……ですか?」

「あぁそうだ。OTOWineだけじゃない、音羽商事とOTOMall、三社をつなぐ企画にするんだ」

 蒼生は力強くそう言うと、ぐっと拳を握り締めている。

 陽菜美には、まだ蒼生が何を考えているのか全く見当もつかない。

 それでも今の蒼生を見ているだけで、自分にも確かな自信がみなぎって来るから不思議だ。


 陽菜美はにっこりとほほ笑むと、蒼生に向かって力強くうなずき返す。

「よし! プレゼンは目前だ。しばらくは残業覚悟で資料を作るぞ」

 蒼生の声に「はい!」と大きく返事を返すと、二人は早速企画作りに取りかかったのだ。
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